①団長:尾島俊雄 ②顧問:村木茂 ③顧問:三谷充 ④幹事:岡本利之(大阪ガス) ⑤副幹事:古市淳(日本環境技研) ⑥団員:真下幸雄(大林組) ⑦団員:上野純(大成建設) ⑧団員:佐藤博樹(三菱地所) ⑨団員:内田江美子(三谷産業) ⑩添乗員:三岡明美(近畿日本ツーリスト)以上10人で構成
○現地視察略記
①3月4日(土)羽田発JL051便でシドニーへ(約10時間)。
②3月5日(日)シドニー国際線から国内空港に乗り換えQF433便でメルボルン空港へ(1時間35分)。専用バスでPan Pacific Melbourne Hotelチェックイン後、歩いて5分のミュンヘン酒場でドイツビールにソーセージの昼食。3時~5時30分、市内参観。夕食はホテルでイタリアン。(泊)
③3月6日(月)、川崎重工のメルボルン在住5年の川副洋史事務所長の案内で、専用バスで3時間(190キロ)走って11時からAG LOY YANG炭田見学。褐炭の露天掘り現場は深さ200m、周辺15km、350万kW(2ヶ所)の石炭火力発電所の巨大な現場に圧倒される(図-A)。
水素製造設備へ移動。安全教育を受けた後、J-POWER担当者より説明。水素製造の設備一式。小さな町のレストランでなかなか美味しいワインとサンドイッチの昼食。
再び180キロの道のりを、車内で川副さんの説明を聞きながら3時間走ってヘイスティング港湾に沿った水素液化積荷基地を視察後、メルボルンのホテルへ。延べ8時間のバスはさすがに疲れる。
19時、タクシーに分乗してフィレンツェの如き盛り場のレストランへ(図-B)。和牛ステーキ300gに赤ワイン(図-C)。ワイルドで味は今ひとつだが。帰りはヤラ川に沿ってリバーフロントの景観と賑わいを楽しみながら30分かけてホテルへ。東京・新宿を超え、シドニーを超える程、500万人の都心の発展と酒と食事のおいしさに圧倒され、ホテルの窓からの夜景を見ながら休む。
④3月7日(火)晴。ヤラ川に沿って散歩(図-D)。東京湾の芝浦を超えた景観と賑わい。早朝からジョギングやボートやカヌーの若者達の活力。Yシャツとネクタイに着替えてチェックアウト。メルボルン発ブリスベン空港へ。10時30分着(2時間10分)。バスでSofitel Brisbane Central Hotelへ。ブリスベンのセントラルステーショ駅の真上に位置した巨大ホテルであった。ホテルで村木さんと合流して近くのレストランで昼食。×××ビールに魚フライはなかなかの味である(図-E)。
案内されたブリスベンのクイーンズランド州政府の建物は41階の巨大オフィス棟で、新築されたばかりの都庁以上に立派なビルで、最上階の応接室や会議室は豪華である、私達12人のメンバーに対して、相手はそれ以上。最初は州政府の副首相で水素担当のHon Glenn、Butcher MP氏。30分、私の方で訪問理由を話し、通訳。その主旨に興味を持った様子で、要望に対して全面的に協力できると自信を持って回答してくれた。その上で、20人の担当者と私達10人のスタッフは軽食をしながら長時間の討論。日本の安達さんの立場や州政府の水素など再生可能エネルギーの日本への輸出は政府の政策そのものであることも理解。沢山の立派な資料も提供される。ホテルで一休みして、ホテル内での夕食も良し。ワインや今日の成果に皆満足の様子。
⑤3月8日(水)5時起床。朝食前に東京駅のステーションホテルの如き宿から周辺を散歩。メルボルンに次ぐ第三の人口集積地223万人で、2032年のオリンピック開催地として再開発の進む活力に満ちた都市の実態を認識する。8時10分集合。ブリスベン空港からグラッドストーン空港へ(約300キロ北方へ、1時間10分)
空港から専用バスでグラッドストーン全域を見渡せる200m程の高台へ案内されて、東京湾と比較する。3.7万haの工場用地を整備中で、明治維新の関東平野や東京湾工業地帯の開拓時代の様子に、2032年まで3400万kW発電で余剰電力2000万kWを全て輸出用にとの州政府の説明に、村木さんや三谷さんのみならず一行は、この地は日本の将来に途方もなく貢献してくれそうな気持ちになって興奮する。帰国後、オーストラリア大使館とは別に設置されているクイーンズランド州政府の役所に勤める安達さんや村木さんを中心に研究会をすることにして、グラッドストーン空港からQF2339便でブリスベンへ。ブリスベンでは駅近く、歩いて10分程の都心のレストランへ。夕食のワインと話し合いに時を忘れての討論会で、オーストラリアの日本の将来に万歳して乾杯する。
⑥3月9日(木)、ブリスベン空港国際線へ。早すぎたが8時発NZ7272便で約4時間の超満員フライトでウェリントン空港へ。オーストラリアとは全く違うスケールと密度、日本的雰囲気に包まれている。村木さんから大林組の現地駐在員で、ニュージーランド事務所長の井口達也さんの案内でSofitel Wellington Hotelへ。ニュージーランドの首都ではあるが、坂と風の強い小さな港町。長崎の如き都市とホテル周辺散歩で土地勘を得る。国会議事堂と戦争記念碑、ウェリントン駅等、坂のある交通の多い道を歩く。Sofitel Hotelにしては簡素な部屋。
⑦3月10日(金)、ホテルの会議室で大林組の現地での事業説明と共に、日本での再生可能エネルギー事業について井口達也所長を中心に日本語で討論。大林組は北島の道路・トンネル工事入札がきっかけでタウポのマオリ族の土地にTuaropaki Trustと共同で設立した合弁会社ハルシオンパワーで、113MWの地熱発電プラントから1MW相当で180t/年の水素を車用に提供する。この会社の将来についても話し合う。17%のマオリ族が持つ土地や自然資源の権利が大きく、南島の水力発電からのアンモニア 60万t/年生産もマオリからの土地利用権が支配する由。
場所:MBIEビルPastoral House
10:35- Presentation on New Zealand’s policy context
10:50- New Zealand’s investment environment
11:00- Discussion/Lunch
14:00-15:00 Meridian Energy 本社 NTT Tower Wellington
Southern Green Hydrogen Projectについて、村木さんを中心に討論。南島の水力発電からNH3をつくり、日本へ輸出する手法を中心にして。
16:00-16:30 在NZ日本大使館訪問。伊藤康一特命全権大使を表敬訪問(図-G)。大使館からの眺望は抜群(図-H)。
16:30-17:30 車で都市内観光、ケーブルカーの山頂駅、Kelburn Parkingや植物園からの40万人程との都市を展望して、中心市街地を歩いてホテルへ。夕食は解散会を兼ねて海辺のレストランで盛り上がる。一行は小雨の風の吹く街を歩いてホテルへ。
⑧3月11日(土)、岡本・上野・佐藤氏等に見送られて、私と三谷さん・内田さんの3人は三岡さんと共に空港へ。国際線は超満員。2時間待ちで、NZ5345便で約4時間、クライストチャーチ空港へ。空港には河村さんが手配してくださったガイドの林さんの出迎えで、ガーデン都市と呼ぶにふさわしい世界三大公園(N.Y.のセントラルパ―ク・ロンドンのハイドパークと当地のハグレイ・パーク)に沿ったThe George Christchurch Hotelに到着。五星ホテル(53室)。日本のメニューで昼の軽食後、日本女性の案内でなんとヒラリー・クリントンも泊まったことのあるスイートへ。室内外の眺望、静けさ、使いやすさは抜群。
早速、林さんの案内でクライストチャーチの地震跡地や坂茂の段ボールの仮設教会・エイボン川に沿った賑わいのある市場を視察。夕食は東京から私達のために来てくれた河村守康氏の長男・祥宏さんと日本料理店KINJI(世界の日本料理ベスト10に入るとか)へ。10卓(40席)の店は超満員。日本語のメニューに日本の地酒もKimuraワインも刺身の新鮮さや種類も豊富で、しかも本当に美味である。
The George Hotelは100%河村家の資本。祥宏氏は社長としてクライストチャーチ都心のオフィス用地の活用や、東京の新丸ビルのニュージーランドレストランZEALANDER、長野の野沢温泉のアパート、白馬村のThe Ridge Hotelなどの経営を一任されている由。35年前、OBの大崎・渡邉君が祥宏君の家庭教師であったことが話題になる。
⑨3月12日(日)快晴、散歩。8時30分、私達4人は林さんの車でクライストチャーチ駅へ。観光列車で2時間程、Spring field からアーサーズ・パス・ビレッジ駅で下車(標高700m、しかし日本の北海道以北とあって1000m以上の森林限界高さの差で、このレベルで室堂レベル、近くの2000m級の山々は日本の3000m以上の景観である)。
林さんは車で30分前について待っていてくれていて、その車でアーサーズ・パス国立公園を案内される。NZ最初の国立公園だけに景観は素晴らしい。トレッキングしながら昼食は小さなレストランでサンドイッチとワイン。
昼食後は60haもの牧場を持つ老夫婦の山荘へ。年間降雨1000ミリ、標高1000m、冷たい水の集まる牧場地で、羊毛刈りと牧羊犬の見事な実演を見て後、道沿いのLakeで休みながらホテルへ。途中、街全体を眺めるため標高200m程のMt.Vermon Parkに登り、ホテル近くのHana Valeでは美しいエイボン川のほとりの豪邸群に驚き、この国の豊かさを実感する(図-H)。
18時30分、離れ別館の豪華な迎賓館で4人だけの夕食会。ブラフオイスターのイクラとポン酢、ツナのたたきとココナッツミルク、セサミソースとワカメ、ラムラックとビーフテンダーロイン等々、ニュージーランドの肉やオイスターがこんなに美味とは。シェフは東洋人で格別とはいえ、お酒も地元のみならず日本の酒も出て、グルメの三谷さんも御満悦の様子。デザートのタルトも絶品の味、コーヒーも格別だ。接待してくださった河村さんの長男もすっかりホテルマンらしく上手である。
⑩3月13日(月)朝3時起床。日記や荷物の整理。スイート316の部屋を楽しむ。韓国サムソンのR.C.はどうも上手に使えない。chが余りに多いためだ。7時30分朝食、9時、林さんのガイドで祥宏さんも同行してワイナリーへ。ホテルから小雨の中、小一時間、北のWaipara Valleyへ。Waipara HillsとPegasus Bayの2軒で試飲後、Kumikosゲストハウス隣接のBlock Estate B&Bで昼食。一時間以上待たされ心配したが、14時、クライストチャーチ空港着。国際線も一時間遅れとあって、All BlacksのTシャツを購入するためわざわざ都心のスポーツ店へ。コロナ後と人気が高いため、全てに公認のオールブラックスは品切れとか。18時、シドニー空港で河村さんと別れて、出迎えの案内でシドニー都心のAMORA Hotel Jamisonへ。ランチボックスで朝食代替。日本からの味噌汁・ワカメスープを2杯飲んで休む。
⑪3月14日(火)、最後のインスタントの味噌汁とランチボックスのクロワッサンとヨーグルトの朝食。JAL往復切符のためシドニー一泊は実に無駄以上に、体力に影響する。9時、シドニー空港の国際線は広く、2時間の待ち時間は退屈だ。幸い三谷さんの顔で特別待合室へ。土産物に羊毛のスリッパ、これは大きく重い。
JAL052便の機内食はシドニーのJAL食のため特別なシェフで充実していると言うだけあって酒も日本食も最高に美味。羽田では森田氏出迎え、タクシーで自宅へ。