Blog#71 塩地博文他著「森林列島再生論」(2022年9月、日経BP)を読んで

 2022年10月4日、昨年大病を患って生死の境目にあった時、偶然巡り会って助けられたという文月恵理さんを同伴して、塩地博文氏がDHC協会を訪ねられた。目的は、一緒に著した「森林列島再生論」の出版とこの出版によって自分自身の再生を賭けているという昔に変わらぬ元気いっぱいの塩地氏。昼食は伊勢廣がよいというので、店長の星野雅信氏に電話で予約。話題は相変わらず面白く、活力があって、とても生死を彷徨った人とは思えない。

 森林再生と木を使っての建築は今や国是となっているが、既に私自身、上田篤先生と一緒に、2016年5月、藤原書店から「ウッドファースト」なる大著を編集し、また2017年7月には「日本の国富をみなおす」(NPO-AIUE)で「林業の蘇生」について著したこと。2021年6月にはOGの白井裕子さんが「森林で日本は蘇る」(新潮新書)なる傑作を著したことをBlogで紹介したこと等々から、改めて新しい情報とは思えなかったが、OBの高口洋人君も執筆しているというので一読する。

 塩地さんの「プレカット」と「大型パネル」による木造住宅の普及活動は革命的で、これまでの戸建て住宅の供給並びに森林の再生に寄与することは何度も聞かされていたので、新しい知見ではなかった。しかし、それぞれの専門家はそれなりに定量化し、みえる化に成功した著作である。幸い、塩地氏蘇生の恩人・文月さんが最後にそのタネを明かしてくれたように、本書はDX時代の先駆けの価値がある。

 日本列島唯一の天然資源は世界に誇れる森林資源であるに拘わらず、これまではCo2の吸収源としての評価から数兆円程度のアナログ評価であったのが、「大型パネル」に同定することによるデジタル評価では(1拠点50km圏の森林資源の計測もドローンを使うことで簡単に評価できることや金融の専門家がESG投資対象としてファンド構想を提案する等)数百兆円と100倍にもなること。この国富を利用できるのは全国で500ヶ所程で、地方再生の拠点が生まれること。 最終章では、説明が面倒な塩地構想を文月さんがいとも簡単に解説する。日本の国が抱える1000兆円の負債も代替できる程の仕掛けと仕組みを教えてくれる著作である。私もこの考え方で八ヶ岳山麓の新天地創造に当たって500拠点の一として、この手法を取り入れてみたい。

Blog#70 八ヶ岳尾島山荘をグランピング拠点に改装

 2022年10月1日(土)6:00am、丸山車で自宅出発。快晴、環七は既に混み、八王子へは7:40am。9:00am双葉SAで一休みして、山荘9:40am着。相場氏は自宅8:00am出発、12:00着。午前中に200冊の本の廃棄と2000冊の本を仮の戸棚へ。途中、自由農園で牛乳や野菜、ソーセージ、ベーコン等を購入して、昼食はソーメン。

 午後、丸山・相場は山ブドウ狩りに出掛け、4時間後、疲れて帰ってきた。その間、本の整理に追われる。4:00pm縄文湯へ。痛めた足・腰を温めるため、ゆっくり温泉に浸かる。5:00pm日没。赤岳・阿弥陀岳・横岳のシルエットも尖石考古館の写真もout。

 夕食は黒部峡の一升とカレーライス、キャベツのコンソメスープ。山での食事はとにかく美味しい。玄関横の書庫を改装して、女性用の個室を二室、そのため2000冊の本を廃棄する必要が出たのだ。小林光さんと電話で明日6:00pm、相場氏のベンツで八十川君と私、小林氏の4人で夕食の約束。

 夜は寒くなったので囲炉裏でアクアビットの酒を飲みながら、山ブドウのジャムづくり。白樺湖畔と八ヶ岳周辺ツアーガイドブックの出版相談後、12:00pm、冬用の寝姿はなかなかに快適。

 10月2日(日)6:00am起床。コーヒーを飲みながら日記を書く。7:00am、レーズンパンと牛乳、キャベツと卵の簡単な朝食。さすがに寒くて、とても外では食事できない。午前中は山荘の前庭を整備した上で、後庭にハンモック用の立木の下草を刈る。

12:00、駅前の更科そばで昼食。スーパーオギノで買い物、ホームプラザナフコでピザ釜の雨避け用にトン袋を購入する。2:05pm、八十川君到着。

 5:30pm、丸山氏留守番、3人で小林光氏宅へ。二地域居住の実践者・小林光山荘は芦沢南の金山地区に立地、山の景観は抜群である。八ヶ岳連峰のみならず、車山から中央アルプスまでの山並みがすごい。6kWソーラー発電にバッテリーも十分。新建築に詳細記事。

 6:30pm、(一社)日本ジビエ振興協会代表理事、オーベルジュ・エスポワール(ホテル兼レストランの主、「希望」という店のシェフ)藤木徳彦氏と弟のソムリエ、母の女将が経営する立派な店である。名刺には「農水省地産地消の仕事人」「内閣府地域活性化伝道師」とある。幸か不幸か、当日は宿泊客ゼロ、食事客もゼロの完全貸し切り状況下で、4人の夕食は女将の当地で25年間の苦戦物語もあって、小林光氏を中心に話題が尽きない。しかし、ジビエの岡谷産のうなぎはヨーロッパ風の赤ワイン煮込みとあって全く駄目。この山で採れたというキノコのソテー等、八十川君は美味というが、地元産も今ひとつ。前菜とデザートはなかなかの味として、ブルゴーニュのシャンペンとシャルドネの白ワイン、ボルドーの赤ワインは仏留学の小林光氏の選択だけになかなかのもの。日本の水素戦略やEXPO’25対策によいアイディアを得ると共に、DHC協会での委員会参加を了解させる。

 9:30pm帰宅。予定より1時間以上遅れて丸山氏を心配させる。昼から煙突を塞ぐ立木を伐ったりして整備した暖炉の火はよく燃えて、23:30頃まで雑談。昨日より寒さを感じないのは慣れたせいか。

 10月3日(月)7:00am朝食。午前中は後庭の立木を伐採してグランピング用ハンモックを吊り、使い心地を試す。なかなかの森林リゾートライフになりそうだ。9:30am、角大工務店来荘。八十川・丸山氏と改築の相談。御柱祭りのため忙しいので、2023年5月連休までに完成予定。

 11:30am、八十川君を茅野駅へ送って帰路につく。東京着2:00pm。