平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
年末年始の休業期間について、以下お知らせいたします。
2023年12月28日(木)~2024年1月9日(火)
上記期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては、2024年1月10日(水)以降にご返答させていただきます。
ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
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2023年11月20日~27日「シンガポール・UAEからの水素・アンモニアサプライチェーン調査団」のお土産にBateel(「ナツメヤシの若い枝」というアラブの古い言葉)が届いた。瞬間、岡本君か古市君が「この都市のまほろば」で書いたドバイの記事『ディラのショッピングモールでナツメヤシの実がゴディバのチョコレート並に商品化され、高級な箱入りの土産として売られている』という文章を読んでの持参かと思った。
ネットでBateelを調べると、なんとドバイ土産の定番!高級デーツ、王室御用達バティール「BATEEL DATES」で、超高級品とあった。アラビア諸国ではデーツは伝統食で、高級バティールのデーツはサウジアラビア王室御用達になっている。デーツとはナツメヤシの果実で、美容効果やダイエット効果があり、女性にも大変人気があるという。
11月30日~12月5日に、ドバイ万博会場跡地のEXPO CITYでCOP28が開催されることが分かっていたので、その前の11月25日頃に調査日程を組んだのが裏目に出て、準備のため調査団の訪問日は完全にclosedで、外側から見るだけであったという。H2・CGSプラントの見学は不可であったのが残念!
しかし、UAEではマスダールシティや巨大なるソーラーパーク、シンガポールではマリナベイのDHCプラントを三菱重工が施工もしたことから、完全な情報収集が出来たので、この第2次調査団も大成功であった。この機会に、2024年1月から海外からのグリーン水素サプライ調査委員会を発足することにした。
COP28の初日、11月30日はグローバルサウス(新興途上国向け)の気候変動対策を目的として300億ドル(4.4兆円)の基金を設立するとUAEのムハンマド大統領が議長国として発表。基金は「アルテラ」と名付けられ、2030年迄には全世界で2,500億ドル(36.6兆円)規模の資金を呼び込むという。
12月1日は首脳会議で国連のグテーレス事務総長は「地球のバイタルサイン(生命兆候)は破綻しつつある」として、1.5℃目標達成には「全ての化石燃料の燃焼を停止した場合のみ可能」と訴える。COP28では、パリ協定の目標達成に向けてGST(グローバル・ストックテイク、5年毎に検証)を行うことに成功した由。
岸田首相は1日、CO2対策なしの石炭火力発電所は新設しないと表明したが、30%を占める稼働中の発電所の廃止は言及せずとは新味なし。その上、原発再稼働で22%の目標達成発言には、日本政府の先駆性が感じられない。案の定、12月4日の朝日新聞夕刊で、岸田首相の名前を挙げた上で、日本の化石燃料への執着で、見せかけの環境配慮「グリーンウォッシュ」だと認定して、環境NGOの国際ネットワーク(ICAN)が選んだ「化石賞」4期連続となった。日本はアンモニアや水素を燃やしてもCO2を出さないとして、「石炭や天然ガスの混焼発電の寿命を延ばそうとのくわだてが、透けて見える」と批判している。
UAEのグリーン水素政策は、自国のカーボンニュートラル達成に精一杯で、とても日本への輸出は考えられないとの岡本調査団の報告は貴重である。12月18日、調査団全員の報告書が手元に届いたのを見る限り、UAEのみならず、サウジアラビアやオマーンなど中近東からのサプライチェーン調査は、やはり価値ありと思われた。同時に、マリナベイのDHC共同溝などは、大都市インフラとして必然性ありと認知したこと等、調査団の報告は期待どおりであった。
DHC協会のグリーン水素サプライチェーン研究は、オーストラリアを第一に、サウジアラビアやオマーン等に絞った上、その活用方法には欧米も参考にすると良さそうだ。
調査団長の岡本利之、副団長の島潔、幹事の古市淳、団員の小川哲史、水内智貴、瀬川裕太、髙田修、谷口雄樹、和田稔、長尾竜太郎、戸田泰幸の各氏の報告書に感謝申し上げると共に、お土産のBateel Datesと完成したザ・パーム・デイラ人工島の写真を記載することをお許し願いたい。
10年前の2016年6月、西岡哲平君の車で、越前一之宮の気比神宮から福井県の原発銀座を視察した。日本の原子力の未来を開く使用済核燃料の処理・処分を目指していた高速増殖原子炉「もんじゅ」を鎮守するため白木浜と、1970年の大阪万博会場に日本で最初の商用原子力発電所から電力を供給した美浜原発を鎮守するため、丹生の浜辺に鳥居を建設する夢を見た。
今度、その写真を撮影するのが目的で、2023年12月16日(土)、夢見たこの地で本当に気比神宮の鳥居を勧請して日本の原子炉の鎮守にしたいと考え、案内してもらった。幸い、今度は円満隆平君と松原純子さんも一緒で、この夢の協力者に期待してのことである。
2011年の福島原発事故から、日本中の全原発54基が停止したが、2023年8月には地元の同意で再稼働した原発は、関西電力の大飯・高浜・美浜、九電の玄海・川内、四国電力の伊方原発の6発電所で11基である。なんと、そのうち関西電力の原発は大飯471万kW(1号-117、2号-117、3号-118、4号-118)、高浜338万kW(1号-82、2号-82、3号-87、4号-87)、美浜166万kW(1号-34、2号-50、3-82)の11基(約1,000万kW)と殆どの原発が再稼働して、今日、関西電力は50%を原発に依存している。その結果、電力料金は日本で唯一値上げなしで、CO2削減にも多大な貢献をしている。
COP28での岸田首相発言や日本のエネルギー基本計画の見直しで、福井に立地する原発のあり方は、日本の将来を決定するお手本である。しかし、「日本は世界のまほろば」(2015年5月、中央公論新社)の後記に、使用済みの核燃料の最終処分場が見当たらぬ限り、現在の地で原発やその使用済み核燃料を保全し続けるほか解はない。とすれば、その地でこれから千年、万年の単位で維持管理し続けることが不可欠になる。然るに、その解決法は全く分かっていない以上、先ずは神頼みである。冗談ではなく、本当に春日大社、厳島神社と共に日本三大大鳥居の一つ、気比神宮の朱の大鳥居を勧請して、この地に神社の氏子制度の如き「災い」を取り除く仕掛けと仕組みを考えて見るべきと考えていたのが、白木浜と丹生浜に鳥居を設けて、その内側を結界とする夢の実現である。
北陸新幹線が来年3月に敦賀まで延伸するに当たって、立派な駅舎が建設中の敦賀駅で12月16日(土)、円満・松原さんと合流。西岡車で、先ずは気比神宮の朱の大鳥居を撮影して後、色ケ浜から新設されたトンネルを抜けて白木浜へ。白木漁港から「もんじゅ」原発を鎮守するに適した鳥居の位置を考え、撮影して美浜町へ。10年前に泊まった民宿・中村屋は増築されて立派になっているのを考えると、再稼働した原発作業員の宿舎として今も活用されているのか。10年前同様、宿舎前の丹生の浜辺から2基の美浜原発のそれぞれに鳥居のフレーム枠内に鎮守できるようイメージしての写真撮影(図参照)。
両原発共に海辺に立つことから、厳島神社の大鳥居の如きコラージュ写真になってしまったが、それも又、良しとする。
続いて三方五湖の縄文博物館に行く前にご当地名物、三方のうなぎや「源与門」で「真蒸重四切れ」に満腹。
10年前に来たときは月曜の休館とあって観ることのできなかった福井県立若狭三方縄文博物館へ。なんと又しても12月中は休館とあって驚いたが、幸い、主目的は2018年に内藤廣設計で開館した福井県年縞輪博物館であり、それが開館していたので早速、学芸員にお願いして詳細な説明をしてもらいながら見学する。
三方五湖の中心に奇跡の湖・水月湖があり、その湖底に厚さ45mのタイムマシンとも考えられる泥の層である7万年もの縞々があった。これは「年縞(ねんこう)」と呼ばれ、水月湖の年縞は世界に比類のない完璧なものとわかった。7万年の縞々には過去の気候や天変地異が記録されている。この調査が進むにつれて、世界の歴史、考古学には欠かせない役割を担うに当たって、水月湖の年縞記録は年代決定の世界標準の「ものさし」に採用された。この成果を福井県は見事な博物館に展示していることから、福井県若狭地方にこれまでにどれ程の天変地異が起こったかを知る貴重な資料となっていることを知って、入念に7万年の年縞に見入った。
新しい年代から、1965年の台風、1953年の水害、1662年の大地震、1586年の天正地震、7253年前の鬼界カルデラ・火山灰、2万9830年前の大山・火山灰、3万年前の姶良火山灰、4万3千年前の古富士の火山灰等の記録が読み取れるから驚きである。巨大な地震や火山灰、気候変動による植物生態の相異が年代事に地層に刻まれている様子から、この水月湖周辺の風景を再現した映像も新鮮であった。
すっかりこの博物館の視察で時間をとり、夜はあわら温泉で年縞と原発の鎮守について話し合う。翌日曜日は3億年前の福井県立恐竜博物館へ。この博物館も又、世界レベル以上の再生で、3億年前の世界に入り込んでの体験。すっかり子供のようになって、福井県の博物館で遊ばせてもらう。
予想した吹雪は程々の霰が降ったくらいで、福井名物・勝山の手打ち蕎麦「八助」で「おろし蕎麦」と「とろろ蕎麦」に満足して、朝倉氏の一乗谷遺跡へ。この博物館も又、遺跡の再生以上に立派な新館が出来ていて驚く。
帰京の時間ギリギリまで福井の博物館見学に満足して、越前ガニを食べ損ねたので「越前かにめし弁当」を買って、東海道新幹線で帰京する。
この旅は12月15日の金沢市での三谷産業(株)役員会に続くビジネスコンテスト2023に参加して、エントリー8社の最新技術のお披露目と、AI中心のコンテストに学ぶこと多く、金城楼での夕食や東茶屋「ハの福」での懇親会を併せての日程消化と、その後の福井県での博物館や原発視察であっただけに、この満たされた日々の連続に感謝する。
2023年11月30日(木)TKPガーデンシティPREMIUM品川ホール6Aで、恒例のシンポジュームを開催(定員150名)。
プログラム(13:30~17:00)
開会の挨拶 当協会 副理事長 柳井 崇(㈱日本設計 常務執行役員)
基調講演 「脱炭素化による都市発展には何が必要か」
京都大学 大学院 経済学研究科 教授 諸富 徹
基調報告 「脱炭素化に向けたまちづくりに関する国土交通省の取組み」
国土交通省 大臣官房技術審議官(都市局担当)菊池 雅彦
基調報告 「東京ガスの CO2 ネット・ゼロに向けた取り組み」
東京ガス㈱ 常務執行役員 菅沢 伸浩
基調報告 「港区のまちづくりにおける脱炭素への取組み」
港区街づくり支援部都市計画課長 野口 孝彦
パネルデイスカッション
【コーディネーター】尾島 俊雄 (早稲田大学 名誉教授 当協会理事長)
【パネリスト】
諸富 徹 (京都大学 大学院 経済学研究科 教授)
筒井 祐治 (国土交通省 都市局 市街地整備課長)
清田 修 (東京ガス㈱ 企画部エネルギー公共グループマネージャー)
野口 孝彦 (港区街づくり支援部都市計画課長)
村上 公哉 (芝浦工業大学 建築学部 建築学科 当協会理事)
閉会の挨拶 当協会 副理事長 長門 秀樹(新菱冷熱工業㈱ 執行役員)
コーディネーターとして、先ずは大学・国・エネルギー事業者・地方自治体の代表から、本日のテーマについての総論をお聞きする限り、Perfect。しかし、これで2030年、2050年目標が達成できるかと言えば、EXPO‘25大阪・関西万博会場での脱炭素インフラとしてH2導入は完全にゼロとなった苦い体験が当協会のトラウマになっている。面的利用は、ネットワークによって相互連携メリットがある反面、利害の一致が困難で、リーダーの育成が課題である。
諸富先生には、環境省の脱炭素先行地域の成否は地方自治体の主体性にあること。また、ドイツのシュタットベルケについての質疑で、実情が明らかになった。
国交省の菊池氏・筒井氏からは、都市再生と安全確保計画制度による容積緩和、立地適正、エリア指定、コンパクトシティなどのあり方と共に、BCDとカーボンフリー、分散電源、防災とエネルギー事業者と立場の違いや主体者としての協議会の構成等に関する問題。会場からは、新宿・福岡・丸の内等を例にしての討論は有意義であった。
東京ガスの菅沢氏・清田氏からは、eメタンの2030年1%の8,000万㎥はキャメロン計画で達成されることは理解できたが、2050年迄にどれほどの達成が可能になるかについて。また、「グリーン証書」のコスト等について会場からの質問もあり、関心の高さから東京ガスへの期待が大と分かる。
港区の野口氏からは、区の環境基本計画の最初の作成に当たった体験から、今も区の環境政策の柱になっていることを知る。これだけのDHC施設を持ち、そのネットワーク化の成果が期待される地域が、環境省の脱炭素先行地域に何故指定されなかったかについてと共に、これからでもDHC協会で村上先生等が検討中の成果と協力して提案して欲しい。
村上先生の清掃工場排熱のDHCへの活用についてのプロジェクトに、国交省や諸富先生が関心を示されたのは大きな成果であった。
最後に、諸富先生のNHKラジオの日本の経済事情解説は常々関心を持って聞いていることから、是非、GX推進法等による10年間に国費20兆円、2050年迄に150兆円の官民投資計画で、面的熱利用プロジェクトの役割についてもお話くださることをお願いして、時間となる。
帰途、市ヶ谷で「黒川洸氏を偲ぶ会」に出席。沢山の著名人の顔ぶれを見て、彼の生前の偉業を偲ぶ。