東日本大震災から10周年 田尾陽一著の「飯舘村からの挑戦」(ちくま新書)に学ぶ

  2011年3月11日、東京電力福島第一原子力発電所事故「山を荒らし、川を荒らし、村を破り、避難の過程で結果的に人を殺してしまった」この事実は揺らぎようがない。まして、この事故の責任をとる人がいないのだから、日本は倫理的には欠陥を持つ社会である。

 広島の原爆を体験し、東京大学大学院で高エネルギー物理学を専攻した田尾氏は、NPO法人「ふくしま再生の会」を立ち上げ10年、今は福島県飯舘村に移り住み、原発被害地域再生に取り組み、住民目線で考え続け、当地こそ二地域居住を希望する若者達に最適とする説に共鳴する。

 私も田尾氏の案内で何度か当地を訪問し、その魅力と田尾氏の人柄や熱意に惚れ込んで、以下に引用文を記す。

 『飯舘村は、日本で最も美しい村の一つとして「までいな村つくり」を全村あげて推進してきたことで知られていた。原発事故はこの試みを破壊した。しかし完全に破壊されたと諦めることはできない。諦めきれない人たちが村の中にも周辺にも、都会の人たちの中にも存在している。2020年、原発事故とウィルス感染の安全度では、東京と福島、都市と地方の逆転が起こっている。』

 田尾氏等は『原発事故から10年の現在、コロナ後の活動を見通して「ふくしま再生の会」として、放射能・放射線のレベルを長期に監視して安全レベルを住民目線で確認しながら、事実に基づいて活動する。しなやかな感性を持った地域内外の若手の魅力あるプロジェクトを立ち上げる。

 独自の歴史・文化・地理をもつ飯舘村が原発事故による放射能被害を受けた。この環境下で食糧・エネルギー・健康医療の三領域で自立する力をつけなければならない。それには科学・技術・人文科学、そして自然と人間の共生を目指す現代アートなどが必要である。そこで「原点回帰と新発想」をベースに、新しいプロジェクトを自力で切り拓く若者が必要とされている。若者よ!大志を抱き集まれ! 飯舘村の若いプロジェクトに!』

 私は、もう少し若ければ、佐須地域の「風と土の家」に泊して現地を体験した上、きっと二地域居住を決意したであろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です