Blog#60 第25回TOYAMA FAN CLUBに出席して

 2022年7月15日、ホテルルポール麹町で開催された第25回の会員交流会は、この2年間のコロナ禍にあって中止されていた。加えて、主催者の(公財)富山県ひとづくり財団の主である知事が、石井隆一氏から新田八朗氏に代わり、この間に私も「世話役」から「顧問」になって初めての会とあって、当日まで出欠を決めかねていた。

 しかし考えるまでもなく、この交流会は毎年1回、中沖知事時代から知事と親しく会話し、富山県の近況を得る唯一の情報交流の場であり、特に箱物行政で建築界に人気のあった中沖時代には著名な建築家達が出席して、真夏の一大情報交流の場であった。続く石井知事の時代は、世話役の一員として、交流会の直前に一時間、知事との直接懇談できる場であるとともに、詳細な資料を下に、その年の富山県行政について知事から直接説明があった。その上で会員交流会では、橘慶一郎衆議院議員や富山県庁の有力な局長との懇談も出来る、実に有意義なFAN CLUBであった。

 大学の現役時代には岐阜県や和歌山県、福岡県等、職務上の交流のあった県は、FAN CLUBに属して年1回の交流会にも出席することもあった。しかし退職後は富山県のみの出席になっていたことに今頃気づいた次第。

 今回の交流会も「世話人」としてではなく、新設された「顧問」という立場で、交流会のみの出欠であったことから、当日の体調次第で出席しようと考えていた。

 当日は朝から土砂降りの雨で、特別の用もない以上、欠席の連絡をしてもらうため改めて開催通知を見ると、「出席予定に新田知事他とあって、その他に新型コロナウィルス感染拡大防止のため、参加人数を制限し、着席スタイルで、万一都合の悪い場合は早めに連絡を」とあった。これを見て、新田知事には新任されてまだ表敬訪問もしていないことから、意を決して出掛けることにした。

 幸い、橘慶一郎代議士も予定外の出席で、このお二人と親しく交流することが出来た上、着席での松花堂弁当には富山の名産品づくし、かまぼこ、ほたるいか沖漬け、ばい貝、白海老、昆布締め、富山産牛、ます寿司、ぶり大根、氷見うどん等に地酒の各種に、久し振りの富山づくしの料理に嬉しくなった。

 八十路を越えて、第一線の方々と情報交流できる幸せを実感して、代表世話人の桑山征洋氏にお礼を述べる。常連の福川伸次氏が欠席されており、その席に新居千秋氏が着席されたので話が弾む。橘議員や山田俊男参議院議員の挨拶はさすがであり、新知事の新田氏も又、頼もしいリーダーとして演説に何故か一安心したのは、やはり顧問の立場になったのかと。

 それにしても、常連であった仙田満、栗生明、中川武、藤江和子、渡部与四郎、吉田忠裕、高橋志保彦、伊東順二、神野直彦、蓑原敬、一柳良雄氏等の姿が見えず、高橋正征、大嶋戍、マリ・クリスチーヌ等、数人のみと淋しく、やはり今回が出番の最後かと考えながら帰途につく。

 20年程前に環境省の仕事で御一緒した北大理学部出身で、開拓民三世という大嶋戍氏が私小説を書いたのでと贈られた「未明の丘」(文芸社出版、2020年)を一読して、FAN CLUBには富山県と何らかの関係(因縁)のある人々の参加者が多いことにも気づく。全国各地のFAN CLUBはふるさと大使の指名やアンテナショップの支援等、地方創生の大事な役割と共に、教育とひとづくり財団の大切さを知り、貧者の一灯、ふるさと納税のみならず、賛助会員として、又顧問として、元気な間はFAN CLUBに出席することにした。