今年の賀状に「失われた日本の30年」を再考して、「これからの明るい日本を開くには何をすべきか模索する年始」と記した。
ハンチントン等の文明史は、日本国は西欧や中国の文化・文明とは異なるユニークな文化・文明を継承している。確かなことは、「おもてなしの心」や「民主主義」、「世界の法秩序を遵守する」気持ちは毅然としている筈だ。
然るに、この30年間の行動は、
第一に、1997年のCOP3(京都議定書)を発出した国でありながら、2013年からの第二約束期間には離脱(不履行)してしまった。
第二に、2015年のCOP21(パリ協定)では、特にJCM(二国間クレジット制度)を認めてもらいながら、2023年のCOP28での「化石燃料の段階的廃止」にはアメリカと共に反対(毎年「化石賞」を授与される屈辱を味わっている)。
第三は、2025年7月のICJ(国際司法裁判所)の勧告は、日本国のみならず企業としても注意すべきである。毎年開催されるCOPで、次々と新しい目標として各国にNDC(温室効果ガス削減目標)が課せられるにつけ、いつまでもトランプ政権に追従する日本国の現状は(アメリカと違って日本はICJの加盟国である)恥ずかしい。
以上、民主主義と国際法を遵守する日本国として、5年毎に提出を要求されているNDCを達成すること。
1997年11月に講談社から『千メートルビルを建てる』を出版したことから、今日に至るも東京に千メートルビルが建っていないのは何故かを検証するNHKテレビ「未来予測反省会」に出演した((Bog144)。
執筆当時(1990年頃)の日本の国力をもってすれば、2020年には1000mの超高層は十分に実現できると本気で考えていた。然るに、1989年の東西冷戦終結と共に、日本は経済バブルの崩壊、1995年の阪神淡路大震災、21世紀に入って人口減少、東日本大震災等々、度重なる自然災害に遭遇した。それでもODAやJICA等を通して、中国や韓国をはじめアジアの国々に大きな支援を続けてきた。その成果として、日本の技術を学んだ人たちが中国や東南アジア、中近東の国々で立派に超々高層ビルを建設している。一方、東京ではお金も需要もなく実現できなかったが、世界では実現していることを伝えた。
それにしても、この30年間の日本は失われたものが余りに多く、それを取り戻すために、アメリカのトランプ政権やロシアのプーチンのように、他国を侵略してまで取り戻すことの是非である。改めて問う。自国の経済力は失われても、アメリカやEUと共に途上国を支援し、世界平和と地球環境への寄与を続けてきたと考えれば、国民は納得できる筈である。然るにトランプ2.0のように、それを取り戻すことに正義を見い出し、今日のロシアや中国同様に自国ファーストになれば、世界の破局である。
幸いなことに日本やEU圏は女性のリーダーを擁立して、この難局に当たり成功を治め始めて、その手段は実に巧みで、確実にその兆しがある。
少なくとも先進国は、これまで国連の諸機関を通して、民主主義による国際貢献や地球環境に貢献してきたことは確かで、その継続が困難になっているのは、途上国の急ぎすぎと先進国の驕りと怠慢である。
頼みの国際連合の安全保障理事会は機能不全で、今日の危機的状況を招いている。その大きな原因は、第二次世界大戦で完敗した国々の国連での地位は余りに低いため、WHO、COP、SDGs、UNESCO、ICJ等々における国際貢献に比して報いられることが少なかった。しかし、日本のこれまでの実績は歴史上、今が一番、世界の信用を得ているはずで、自信を持って、これまで以上の国際貢献を継続すべきである。
身近では(一社)都市環境エネルギー協会で取り組んでいるBCPとCNのDHC普及に当たって、国際発信することである。
具体的には、日本の火力発電所からのCO2を利用したeメタンを地域循環共生圏構想として、CNの達成に寄与するNDC-報告とする。またeメタンをアメリカやカナダから輸入する場合は、JCMとしての認証書を国際循環共生圏構想として、国際的に広報する。
そのための報告書を、2026年度、東京にあっては扇島を中心に、大阪にあっては泉北を中心に考えては如何か。例えば、
〇臨海部におけるBCDと地域と国際循環共生圏構想に関する調査研究
〇日本の熱供給事業のCNに寄与するeメタンについて、NDCとJCMのあり方に関しての調査研究として
2023年10月、日本でもカーボンクレジット事業として、日本取引所グループ(JPX)が開設された。2026年度に排出量取引制度(GX-ETS、J-クレジットで、不足枠の調達を義務付ける制度)が本格稼働するに当たって、2月6日(金)、NHKラジオで、京大の諸富徹先生が、EUに比べて遅れたが「日本のカーボンプライシングは年間10万トン以上のCO2を排出する300~400社の大企業に要求され、取引が開始される」と解説。
CO2が少なくとも4,000円/ton以上で取引される時代。一方で、LNG 8万円/ton、石油7万円/tonに比べてeメタンは30万円/ton以上、H2は50万円/ton以上である。CGSのCN達成に当たって、2030年~2035年を目指して、このコスト差をどのように縮め、実証から実装のDHCシステムを構築できるかが試されている。

2月8日(日)の衆議院議員総選挙では高市早苗政権圧勝。自民単独で3分の2以上の議席確保は歴史的勝利である。1.外交力、2.防衛力、3.経済力、4.技術力、5.情報力に加えた人材力で、世界の真中への夢が実現する時、3月19日にはトランプ政権との日米首脳会議も予定され、愈々、前進する日本の未来が開かれる。2026年度(午年)こそ、勝負の年としたい。
