2026年1月9日(金)新宿発12:20の小田急ロマンスカーで、箱根湯本駅13:47着。
一駅バックして、箱根登山鉄道の入生田駅下車。徒歩5分の「神奈川県温泉地学研究所」へ。
1995年、通産省の石油代替エネルギー委員会の地熱調査部会長として、日本各地の地熱調査をするに当たって、何故か熱海・箱根の温泉組合等の反対があった。その時、温泉組合と発電などの地熱利用者の利権が面倒なことを痛感した。最近はどうなっているかを聞くことができたらと考えての訪問。
年賀状に、失われた日本の30年間を考えるに、カーボンフリーとしての地熱利用が再び注目されたこともあって、当研究所が、1961年に「神奈川県温泉研究所」として設立され、1995年に今日の研究所が当地に移転したことを知ったことからの突然の訪問であった。
お正月の家族旅行ついでの思い付き訪問であったが、研究員の外山浩太郎氏(理博)の親切な対応で、現状がよくわかった。当研究所は「神奈川県温泉研究所」として設立されたが、1968年には地震観測業務を開始し、1977年には「神奈川県温泉地学研究所」と名称変更。隣接する「神奈川県立生命の星・地球博物館」と共に箱根ジオパークに立地することから、県民の安全・安心を脅かす地震・火山噴火・自然の恵みである温泉・地下水など、地球表面を構成する3枚のプレートの動きなど、総合的な地学現象の解明に取り組んでいるという。
残念ながら、大涌谷や小涌谷、さらには箱根七湯の温泉源を結ぶ湯守や地域配管等の引き湯ネットワーク等に関しては、地元の専門業者が昔からの伝統を守って仕事をしている様子で、当研究所の研究対象ではない由。唯、地熱利用としての発電と温泉源との利害に関しては、敏感な関係にあることは今も変わらないのではとの意見。
カーボンフリー対策として都市環境エネルギーの問題として、日本の地中熱の活用については、温泉源・地熱・地中温度の活用に当たって、本格的に検討すべき時と考えさせられた。
帰途、家族と共に「生命の星・地球博物館」へ。立派な建物や展示物にふれて、日常生活にはない刺激を受けた後、タクシーで箱根湯本温泉の天成園へ。
箱根町の標高は800~1000m、南北12キロ、東西6キロ(東京の山手線のスケール)の外輪山に囲まれた地に400余軒(10,000室)の温泉旅館やホテルが立地し、年間2,000万人以上の観光客で賑わう。1919年、箱根登山鉄道が開通、早雲山の東斜面に湧く温泉を利用して強羅温泉街が形成され、戦後は大涌谷から引き湯した仙石原温泉街が形成された。
今度の温泉旅館(天成園)は箱根湯本駅から須雲川づたいに歩いて12分。江戸時代の春日局の血を引く稲葉氏の別邸のあった敷地に60余年前に開業。俳人・荻原井泉水が(天の成したる園)として「天成園」と命名。敷地内には与謝野晶子の「玉簾の瀧」の歌碑等もあり、自然の素晴らしさに満ちた敷地内に198室の巨大な宿である。
天成園の屋上には天空大露天風呂があり、敷地内の4本の源泉は地下227mから一日200トン、泉温45.9℃の温泉を揚湯。草津温泉の自噴湧出量は1位で32万トン、別府温泉は2位で2万トン、箱根温泉は5位で1.5万トン/日の湯量。
4:00pmチェックインして、まずは屋上の露天風呂へ。何はともあれ、自然の温泉は気分爽快で、夕食のバイキングも美味い。
1月10日(土)早朝の6:30am、屋上の露天風呂に浴して、朝食後は玉簾の瀧、玉簾神社、延命水、飛烟の瀧等、30分程の庭園散歩。
10:30チェックアウト。歩いて箱根湯本駅へ。1泊2日(延べ24時間)の短時間の旅行であったが、長いお正月休み中にあって、最も刺激の多い、充実した時間であった。

「瀧は玉だれ 天女しらぶる 琴を聞く」
