Blog#92 稲門建築会合同クラス会2023に寄せたビデオメッセージ

 2023年9月1日(金)、OBの原英嗣君から合同クラス会へのビデオメッセージの収録を依頼される。同級の大西裕之・笠原卓・久保田街香君等が練馬の研究室にやってきた。

 30分ほどのインタビューでの質問(1)は、今回の企画「名言・迷言・明言」についての感想。質問(2)は、当時の恩師の言葉で、今でも覚えている「名言」と、その名言はどんな状況・シーンで話されたか。その名言に関するエピソードを話して下さい。最後に当日の会場来場者へのメッセージについて、であった。

 11月4日(土)合同クラス会の会場は57号館。登壇者は古谷誠章・後藤春彦・中谷礼仁先生。ビデオメッセージは私の他、入江正之・木村建一・西谷章先生に打診中とのこと。この日は尾島研OB達が毎年1回開催している国際会議が韓国のソウルで予定されており、出席できないことから30分のインタビューは正確に話す必要を感じて、丸一日、井上先生との想い出を整理する。

 同時に、わざわざ練馬までインタビューに来てくれるOB・OGのためにと、早朝から庭の手入れ、渋谷園芸からカサブランカの生花、家内に頼んでお茶は宇治小山園の「和光」を篩いにかける。お茶菓子はとらやの生菓子「ささ栗」、お香は鳩居堂の「らべんだー」、掛け軸は中国桂林の山水画、お茶碗は正客用として石黒宗麿呂のかいらぎ井戸茶碗、お詰めには夏茶碗を準備する。

 予定した時間通りに4人が来宅。先生方の全部の似顔絵を描いたのは趣旨説明された久保田さんで、司会は原君。

(1)今回の企画についての感想は、実にユニークで面白い。全面的賛同である。

(2)恩師の言葉については、第一に、先生が学生の名前を覚えることの大切さを教えられたこと。第二に、先生が弟子を育てる秘伝は『すごい才能を持っている奴だ』とか『いずれは先生を超えてゆく奴だ』と第三者に対する評価。
 先生自身の評価が高い上、先生が自信に満ちていることが前提だが、この点で井上先生は満点であったが、少々早合点でもあった。「生まれも育ちも秩父の山里」と自称され、兄達に比べて成績は良くなかったが努力したこと。「男はつらいよ」の渥美清の如き懐かしき存在であった。この井上先生の第二の言葉は、高田馬場の裏通りにあって、吉阪先生が名付け、井上・松井・安東・渡辺保忠先生らがよく通ったという「レダ」のママからの仄聞である。

 来場者に対してのメッセージについては、2000年当時、「日本学術会議の会員として、総力を挙げて提言した21世紀『日本の計画』の主旨は、日本人は今できることは禅宗の言葉にある『吾唯足知』であった。」しかしその結果として、その頃から20余年、中国の発展に比べて日本は余りに禁欲的で出遅れた。今少し頑張っても良いのではないか。

 今ひとつは、“Science for Science(あるものの探究)”という認識科学のみならず、“Science for Society(あるべきものの探求)”という設計科学の大切さである。その典型科学が建築で、あるべき姿の建築をもっと探求しても良い。

 私自身、本日9月1日が本当の誕生日(しかし関東大震災を体験した父が9月2日として出生届)で86歳。余生、国土強靱化とカーボンフリーの都市環境のあるべき姿を探求するつもり。

 以下に、久保田さんの描いてくれた井上先生と古谷先生、私の似顔絵と当日の6人の写真。

 私から聞いたというOB・OG達の言葉として、本当かどうかの質問については、全て同意する。

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