2000年9月、富山市太田口通りの自宅を改装して「ギャラリー太田口」を開業した。地元のアーティスト10人展を中心に、1~2年展示即売会等を開催したが、維持管理のみならず、サービスや採算面で収支合わず、パソコン教室とブティックに賃貸していた。
その後、2020年のコロナパンデミックで、その事業も継続できなくなったため、この期間に再び大改装し、Book and Art Caféにしたが、その経営に関しては全く分からぬまま、目下、NPO-AIUEの北陸支部にして、開店休業中である。
現代総有研で八ヶ岳の白樺湖畔再生の研究中に、静岡県焼津市のシャッター通り商店街の空き店舗(ギャラリー太田口と同規模)を自分だけの本棚を持つことができる一箱本棚オーナー制度にして、その名の通り「みんなの図書館さんかく」と名付け、賑わっていることを知った。初期は10名程から始めたが、回を重ねるごとに参加者が増え、現在は20名程になっている由。毎月一箱2,000円として、一人で2箱、20人×2箱×2,000円/箱・月×12ケ月/年=96万円/年の収入で、町の賑わいに成功している由。
このような試みを進化させたのが、雑誌「中央公論11月号」の鹿島茂氏と間室道子氏の対談で知った神田すずらん通りの本好きのための隠れ家カフェ「PASSAGE bis! by ALL REVIEWS」(年中無休で12:00~19:00オープン)である。ここの書棚には本の他にもアクセサリーや食器、雑貨など取り揃えており、ショッピングも楽しむこともできる。本棚は5,500円/月・棚、自分が本屋になれる店で、事前申込みが殺到しているとか。
2023年10月27日(金)午後、訪ねた。この日は年に一度のお祭り「神保町ブックフェスティバル」開催中(10/27~11/3)で、歩道には古本の露店が数え切れないほど並び、世界一の古本店街に圧倒される。
店内には鹿島氏の本棚もあり、2023.10.20の鹿島茂氏のサイン入り「子供より古書が大事と思いたい」(青土社 1996.3)の著をSUICAで購入して、3FLのカフェへ。20席程のテーブルに中国人と日本人の6人が話し合っていた。空いていたテーブルで一休みしながらチラシを読む。
『フランス語で「第二の」的意味の“bis”と「アンコール!」の意味を持つ(!)がこのカフェを象徴しています』というだけに、「ヨーロッパ香るアンティークに囲まれた落ち着いた空間」である。850円のコーヒーを頼むと40分間の持ち時間限定を記したメモとカード払いのみの請求書が添えられている。本当に美味しいコーヒーのみならず、ビールやワインも楽しめるなかなかのCaféである。
すっかりこの試みに魅せられて、富山でもこんな店ができたら良いがと思いながら、スマホのシャッターを押す。2024年4月を目途に、NPO-AIUE北陸支部長の西岡哲平君にギャラリー太田口(Ⅰ)(Ⅱ)の開設と活用方法を考えてもらっている。