Blog#98 三谷産業のベトナムAureole Conference 2023  in フエ(~クロスカルチャー・ファシリテーションによる組織進化~)にweb参加して

 11月13日(月)、秘書から「本日4時から三谷産業のベトナムでのコンファレンスがあるが、webで参加されるか」との問いに、何気なく「よろしく」と伝えた結果、時刻通り、画面にベトナム最後の王朝グエン(阮)朝の王宮が映し出され、ロイヤルシアター(閲是堂)での皇族専用であった雅楽(ニャーニャック 世界無形遺産)の演奏と演舞が始まった。驚いて画面のベトナム語と同時通訳の日本語解説に集中する。

 何度かベトナムに行ったことがあるも、1993年、ベトナム最初の世界遺産に登録された古都フエの王宮を訪ねる機会はなかった。早稲田の佐藤滋先生等がフエの都市計画を手伝っていることを聞いていたのと、世界遺産の王宮(東西642m、南北568m、城壁の高さ6m、周囲を濠に囲まれている)の中心部にある皇室専用の劇場でのコンファレンスに、三谷産業のベトナム文化に対する情熱を感じて嬉しくなった。かくして、webの画面と同時通訳の日本語解説を2時間30分、傾聴する。

 最初のご挨拶は、三浦秀平取締役がベトナム語で、この日越文化交流のコンファレンスを開催した主旨。三谷産業はベトナムで起業して来年30周年、約2400人もの雇用をもつ企業として、2015年からフエにも二拠点の工場を建設したこと。古都フエでの今度のコンファレンスは、異文化交流の第一人者・宮森千嘉子さんの基調講演とベトナムを代表する文化人と、当地で仕事をする日本の方々との討論会を、ベトナムの誇る、この劇場で開設した主旨を聞いて、俄然興味をもった。以下、そのメモを記す。

 宮森さんの基調講演は「文化と経営研究の父」と呼ばれる『ヘールト・ホフステードの6次元モデル』を用いて、ベトナムと日本の異なる文化圏に働く人たちが直面する様々なトラブルを解決するヒントを面白く話された。早速、宮森さん著「経営戦略としての異文化適応力」をamazonで購入。

「ホフステードの6次元モデル」の対象は、国という社会における文化の価値観の違いを次元ごとに0~100までの間で「数値化」する。

  • 権力格差(小さい ←→ 大きい)
  • 集団主義 ←→ 個人主義、属する集団に依存か、独立して個人の利益を優先するか
  • 女性性(生活の質)←→ 男性性(達成)、家族・友人と共にか、個人の達成感か
  • 不確実性の回避(低い ←→ 高い) 曖昧さを気にするか、しないか
  • 人生の楽しみ方(抑制的 ←→ 充足的) 抑制志向か、充足志向か
                           (JMAM,2019.3.8)

 当日は、会場で130人、webで100人程の参加者であったが、貴重なコンファレンスと考えたので、宮森さんの基調講演と三谷産業(株)兼AUREOLE EXPERT INTEGRATORS INC.取締役の木下浩之さんがモデレートされた日本とベトナムの文化人による討論会が余りに面白く、取り急ぎのBlogとした。

 ベトナム人と日本人は、時間厳守のあり方、昼寝することによる効果、家庭と仕事場の価値、人生の楽しみ方、日本人のおもてなしの精神、世代間の格差に比べて、国と国との文化格差の方が少ないことや、今の日本文化は鬼っ子と思える程にユニークであること。ピーター・バラカンさんやマリ・クリスチーヌさん等、日本を代表する異文化交流のレジェンドと日頃、親しくしていたが、今度のコンファレンスで宮森さんを知ったことや6次元モデルの参考資料を入手したこと、三谷産業の今度の催事に感謝である。

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